茨城県妖怪探検隊・探訪記
茨城県高萩市

中戸川の河童伝説

地図


 2018年4月
 取材 士郎
 レポート 士郎


 高萩市中戸川に河童の伝説がある。

 鳥曽根の魚苑(ぎょえん)の前の、大きな石は、河童の荷鞍干しなんだって。
 河童ちゃ、川にいで、子どもを川さ引っぱって、自分で食べたっていう話だ。
 水芝の草履を履いで、川っ縁に行ぐと、河童に引っぱられるって。水芝草履は、藁よりきれいで丈夫だけれど。

 話者 樫村たつ 中戸川  『高萩市の昔話と伝説』(高萩市1980年)

 恥ずかしながら、地元に住む士郎がこの伝説を知ったのは、上記の『高萩市の昔話と伝説』(高萩市1980年)を購入した一昨年の一月だった。
 今回は、高萩市観光課の若手職員の勧めもあって、この河童伝説の残る不動滝へと赴いた。

 高萩市街地や高萩インターから向かう場合は、国道461号を西へと走る。
 花貫ダムを過ぎ、ふるさとグリーンライン入り口の手前を右折する。
 入った道が花園渓谷を走る旧国道である。

 国道461号からの入り口の角には、食堂「とりぞね」がある。
  
 上に見えるのは国道461号だ。
 その下をくぐる辺りで左折すると、大駐車場である。
  

 駐車場は砂利敷きだが、かなりのスペースがある。
 基本的に無料だが、紅葉の時期のみ有料となるので注意していただきたい。

 高萩の伝説で「鳥曽根の魚苑(ぎょえん)」とあるが、ここがその跡地である。
 ちなみに、河童の荷鞍干は見つからなかった。
 今後の課題とする。
 
 駐車場の奥に案内が立っている。
「乙女滝」「不動滝」の案内に従おう。

 駐車場から木立の中へと進んでいく。
 階段を降りると丁字路に突き当たる。
 左が不動滝、右が乙女滝である。

 とあるサイトでは「不動滝乙女」と紹介しているが、案内板のデザインを誤読したようだ。
「不動滝」と「乙女滝」である。

 まずは左、河童伝説の不動滝へ行ってみよう。
 再び階段があるので、足元に注意して下っていく。
 途中に展瀑台(?)がある。

 展瀑台からの眺め。
 ここが滝に一番近い。

 階段をさらに下ると川縁の出でる。
 下流側から滝を見ることも可能。
 下流側からの眺め。

 滝壺に近づくのためには、いくつもの石を飛んで渡らなくてはならない。
 これより先に進むのは危険なため、お勧めできない。
 不動滝と淵の全景。
 滝壺、というか淵である。
 河童が棲んでいてもおかしくなさそうな雰囲気である。

 この淵は「コグロ淵」という名があるそうだ。

 また、ここの主は河童ではなく蜘蛛である、という説もある。
 ちなみに、川自体はこんな感じだ。
 コケに覆われた石もあり、無理をすると足を滑らせる危険もある。

 丁字路に戻る。
 次は乙女滝に行ってみよう。

 丁字路を乙女滝に向かうと、すぐにY字の分岐がある。

 まずは左へと行ってみよう。
 階段を降りると、すぐに川縁だ。

 川縁に出て右を見れば乙女滝だが、その前に、左の方、川下に向かってみよう。
 不動滝の上に行くことができる。

 不動滝の上から。
 ここもコケがあるので足を滑らせないように注意していただきたい。

 転倒すれば滝を水とともに落下する可能性がある。
 かすり傷では済まないだろう。
 あなたが河童になってしまうかもしれない。
 少し手前からおそるおそる覗き込むのがベストだ。
 


 階段の下の川縁に戻る。
 乙女滝をほぼ正面に見ることができる。
 もっとも、ここも不動滝と同様で、滝壺に近づくのは危険だ。

 ちなみに、乙女滝の由来は不明である。
 階段の上にあった分岐からもう一方の道を行ってみる。
 ここにも展瀑台らしきものがある。
 ここからなら滝壺も見ることができる。


 この滝には、別のパターンの伝説がある。

 滝の主は、遊ぶどぎは、馬みたいなものに乗ったんだというんだがね。
 大きな石があって、その上にある滝の淵のほうを乗って歩いだので、鞍がぬれちゃった。
 その大きな鞍掛石に鞍を干しておいだというんだがね。それは、普通の人には見えながったんだが。
 大能のほうまで魚売りに行った人が、帰りがけに、そごを通ったとごろが、立派な鞍が干してあんのを見っけでしまった。普通の人には見えねえのが、見えだんだがら、何が変わった力があったんだろうね、その人は。
「これは誰もいないようだ。良い物を見っけだ。」
というんで、そのきれいな鞍を持って帰っちゃった。  以下、省略。

 話者 大部薫 中戸川  『高萩市の昔話と伝説』(高萩市1980年)

 その後、滝の主が追いかけてきたが、魚売りは首尾良く家に逃げ帰ってしまった。
 ところが、魚売りは間もなく疫病にかかって苦しむことになる。
 祈祷師に拝んでもらったところ、鞍を持ってきたがために起こったたたりであると判明した。
 魚売りの家族がその鞍を元の場所に返したところ、魚売りの体調は良くなったそうだ。
 


 当サイト内での関連記事
 茨城県の妖怪豆図鑑 「河童(かっぱ)」

 終わり。

前のページ(高萩市)へ戻る

茨城県妖怪探検隊
TOPページへ戻る
当サイト内の無断転載、複製を禁止します。