茨城県妖怪探検隊・茨城県の妖怪豆図鑑
一つ目小僧



 全国的に知られている妖怪で、読んで字のごとく目が一つしかない小僧。目一つ小僧とも呼ばれる。また、一つ目の大入道を指す場合もある。豆腐小僧の亜種とされるものは、豆腐小僧のように豆腐を持って現れる。
 平秼東作(へづつとうさく)による『怪談老の杖』という江戸時代の怪談に登場する一つ目小僧は、古い武家屋敷に現れて掛け軸を弄ぶといういたずらをした。
 静岡県や南関東には、2月8日、12月8日に一つ目小僧がやってくるという伝承がある。この両日には、一つ目小僧の嫌う目籠(めかご)を竿の先につけて庭先に高く掲げ、魔除けとしたらしい。一つ目を突き刺すという呪いの意味を持つ「柊(ひいらぎ)」を籠に刺しておくこともある。また、南関東では、一つ目小僧がミカリ婆(一つ目の老女で人間の目を借りるという)とともにやってくることが多い。
 茨城県では、高萩市下手綱字岩の作にある坂(茨城県立高萩清松高校の下の坂)に一つ目小僧が夜な夜な現れては通行人を驚かせていた、という民間伝承がある。あるとき、目の不自由な人がこの坂を通りかかった。この人を驚かせようとした一つ目小僧は、いつものように「一つ目小僧だぞ」と言いながら姿を現した。しかし目の不自由なこの人は、「おまえは一つあっからまだいいよ。おれは一つもないよ」と切り返して平気で通り過ぎてしまった。意気消沈した一つ目小僧はそれ以来、現れなくなってしまった。


 参考文献
 村上健司『日本妖怪大事典』(角川書店、2005年)
 小松和彦『図解雑学日本の妖怪』(ナツメ社、2009年)
 高萩市教育委員会『高萩市の昔話と伝説』(高萩市役所、1980年)
 


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